松阪牛の特徴と歴史
松阪牛は、神戸牛・近江牛か米沢牛のどちらか一方を三大和牛として称され、正式名称を「まつさかうし」として親しまれているブランドです。
その特徴は霜降りの肉質で脂分が豊富で、食べた時にとろける様なまろやかさがある牛肉で、非常に美味しいことから人気となっています。
その歴史的なルーツとしては、但馬国である今の兵庫県の但馬地方の雌牛で江戸時代に農耕用の牛として飼われていたのを、西洋の肉食の文化が入ったことで普及しました。
三重県の松阪地方は、鈴鹿山麓は牛舎・牧場に最適な環境が整っていることもあり、但馬地方から連れられた雌牛が飼われています。
そして戦後に松阪肉牛共進会と呼ばれる大会が開催され品評会を催すなど、全国的に知られるきっかけにもなりました。 また松阪肉牛協会と呼ばれる組織が設立されたことで、流通に厳格な品質管理体制を敷いたこともブランド化を図る上で貢献したと言われています。
松阪牛の生産体制
松阪牛の生産体制は、すべてが松阪地域で生まれ育った牛ではなく、全国各地の和牛の生産地より仔牛を購入して松阪地域で3年間、肥育する体制で行われます。
中でも以前より兵庫県の但馬牛が多い傾向が見られ、生産方法としては自由な放牧をせずに牛舎で穀物類の餌を与え牛を肥やす方法を採用しています。
牛にビールを飲ませることで獣医学的にも優れた肉質になるとされて取り入れたりマッサージを行う等、松阪牛は徹底的な管理の最適な飼育環境の元、大切に育てられているのが特徴です。
松阪牛の課題と取り組み
松阪牛はブランド牛であるために県内外の流通の過程で産地偽装の問題が起こりやすく、個体の識別管理システムを運用、販売できる業者も会員証や会員番号を持っている業者のみに限定する等、ブランドを守るための対策が日々行われています。
特に、販売できる業者は店頭に鈴の形をした看板を掲げることが出来るなどの差別化を図っています。
また近年、発生したBSE問題でも牛肉の価値が下落する中でも、識別管理による履歴情報で安全性のアピールを行っています。
同じ松阪牛の中でも「特産・金・銀」といった格付け制度を採用し、独自の基準でブランド力を高めていることが多くの人に評価され、現在では定番のギフトや贈り物として多く利用されるようになりました。